会社から帰ると、17年来の友人からめずらしくLINEが来ていた。
「きょうはデートかな?家にいる?」
「ちょっと話したくて」
友人とは、年に1回会えれば多い方なのですが、プライベートも仕事も、あんなことやこんなこと、副業なども話している仲だったので、恋愛系だなと思ってすぐに電話をした。
「LINE気づくの遅れてごめん。どした?」
「いや〜‥彼女にフラレた」
要約すると、アメリカで出会った彼女とは彼が日本に帰国してからも、毎日彼女から電話がかかってきたり、千葉の別荘で一緒に過ごしたり、ハワイに一緒に行ったり良い関係を築いていたのだが、アメリカにいる彼女の元に熱烈なアピールをしてくる年下男性が現れて、彼女が揺らいでしまったという。
しかも、その情熱的な告白をした年下男子は、私の友人と友達でもある。

彼女と年下男子、私の友人は3人で共通の自転車を楽しむ仲だったのですが、年下男子は、私の友人と彼女の関係を知らなかったそう。
関係を知った年下男子は、日本にいる私の友人に急遽飛行機で会いに来るみたい。
オトコ同士、腹を割って話すんだろう。
私の友人は「人を好きになるってよくわからない」とよく言っていた人。
感情の浮き沈みがなく、いつもフラットな人。
見方によっては冷たい感じに見える人。
そんな彼が
「彼女と別れ話をしているとき涙が止まらなかった」
と。
私が失恋したとき友人に電話して、電話越しに号泣したときに彼は
「そんなに好きになれる人がいて幸せな人だな」
そう思ったと教えてくれた。

そんな彼も感情が揺さぶられる人に出会った。
同じ価値観で、おいしいごはんを一緒に食べることが幸せなことだと気づいたこと、そういう女性に出会えたことは、彼の感情を呼び醒ます経験になったと思うし、彼もそんなことを言ってた。
いろいろ話を聞いていて
「もうこんな女性に出会えない」
こう言ってたけど、彼女とお付き合いした2年間で得たさまざまな経験をインストールした友人には、きっとまた素敵な出会いがめぐってくるに違いない。
“親友”って言葉、いままで使ってこなかったし、どこか嘘っぽい感じがしてたけど、私の親友はこの人ひとりだけだとハッキリ言える。
電話を切ってそんなことを思ってたら、友人からLINEが来た。
